~そろばんの検定の種類とレベルの違いについて 日本計算技能連盟編~

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そろばん塾ピコ講師の平山です。
10教室程度の講師管理・研修などを行っています。現在は担当教室も持っており、年長さん~小学6年生までが在籍しています。そろばんの技術だけを教える講師は目指しておらず、子どもの総合的な未来にコミットしております^^

さて、今回は新しく出来たばかりの、日本計算技能連盟について書いてみました。
まだまだ出来たばかりの検定ではありますが、将来の期待を込めて、特徴などを書いてみました。

他の検定シリーズと横並びで見ていただけると、違いが掴めてくるのでは無いかと思います。

検定シリーズリンク

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まずはこの検定シリーズのリンクからです。

(検定の種類とレベルの違いシリーズ)

概要編

日商編

全珠連編

ピコ検定編

日計連編(本記事)

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そろばん界で一番新しい検定

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そろばんの検定って言うと、
「日商(日珠連)検定」
「全珠連」
「学校連盟(もしくは全珠学連)」
最後はちょっとマイナーと言うか、指導者しか知らないと思うのですが(関係者の方、ごめんなさい!!)これが珠算の3大連盟です。
それぞれ歴史があって、特に日商珠算検定なんかは日本商工会議所が主催しますし、ある程度のネームバリューで信頼感は感じるのでは無いでしょうか。

そんな中、新しく旗揚げしたのが、日本計算技能連盟(にほん けいさん ぎのう れんめい)
略して「日計連(にっけいれん)」と言いたいところですが、こちらの「日経連(にっけいれん)」と被るので、どう読むかは読者の皆様にお任せしちゃいましょう^^

日計連は新しく出来たと言いましたが、1度作って基盤が固まってしまうと、なかなか身動きが取れないのが珠算検定です。
例えば、全珠連の検定が一気にガラッと変わってしまうと、加盟している教室全て指導を全て見直さなければならないですし、
生徒も一時的に大変な目に遭うのは想像に難くありません。反対も相当なものになるでしょう^^;;;

例えば、種目の廃止とか、追加とかですね。
全珠連の指導者の方が選択種目全て廃止します!!となったらどうですか??
※選択種目とは暗算、伝票、応用計算(文章題)、開法(√の計算)の事です。

しかし、これから新しい検定を作るとなれば、極論、何でもOKなわけです。
誰にも迷惑かかりませんし、反対する存在自体がいませんからね^^;;;

時代の流れを考える

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計算技能連盟は時代の流れを汲んでいます。

2020年現在、そろばんを習う子は
「昔より早く入るのが普通」になりましたし
「数ある習い事の1つ」と言う認知になりました。
昔の様に、習字とピアノとそろばんしか無い時代とは違うんですよね。

年長・年中、早い子は年少。
そして、英語・プログラミング・テニス・学習塾・ダンス・バレエ

などなど昔は多くなかった習い事もどんどん増えてきました。

となると、通える回数も少なくなるし、九九は覚えていないのが当然と言う状況なわけで…当時とは各級の難しさの感じ方にも、相当な開きがあります。
小さいころ、そろばんは2年生以降、となっていませんでしたか?
九九を覚えてから、と言う意味合いが強かったからに他なりません。

兎も角、そこから逆算?して検定内容の議論を始めた、と言った様に感じられます。
(日計連関係者では無いので、勝手な推測^^;;;)

計算技能連盟、最大の特徴

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前置きが長くなりましたが、ここからが本題。

日本計算技能連盟は何が他と違うのか。
結論から言うと、わり算の導入が一歩遅れている。これです!
今まで紹介してきた検定は8級からわり算が導入されるのですが、日計連では「7級から」わり算が開始されます。これは8級だとまだ九九が定着しきっておらず、わり算をするのに時間がかかったり、年少や年中だったりすると、全く理解不能だったりする事があるからでしょう。特に週1回の通塾だったりすると、尚更、わり算ばかりに時間が取られ、理解できず、やる気も失い、なんてことになりがちです。

わり算を遅らせるのは、(個人的に)英断と思えます。
そして、見取り算の検定が2つ入っているのは、この間にしっかりと見取り算を習得させようと言う意思も見え、とても憎い演出ではないでしょうか。(偉そうにスミマセン…)

えー遅いなんて嫌だ!と思われるでしょうか。
いえ、そろばんを始めてしまえば、内容の細かい部分より、モチベーションを保てて、ちゃんと継続出来るか、
と言う方が圧倒的重要ポイントなので、あんまり関係ないと思います。

珠算級位について、その他の特徴

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計算技能連盟の級位検定は全般的に、日商検定ひいてはピコ検定と比べると、かなり易しいな!と言う印象です。と言うか、、、ここまでいけば子ども目線で見ると「工夫不要の躓かない検定」とも言えるでしょうか。

何が違うかと言うと、

・かけ算、わり算の桁数完全固定(割り算は、割る桁数と答えの桁数が完全固定)
・級位の間は小数を一切やらない
・見取り算も壁!ってものが特に無く、練習さえすればOK

特に上の2つはかなりの大きく進度に影響してきます!

まあ、つまるところ、段位に入るまでの級の間は、工夫は(そこまで)いらないから、級を取得して自信をつけていき、どんどん練習して進めていって、
1級取得したら、段位!と言う自覚も出てきたから色々と技術を学んで更に奥深さを知ろう、てな具合でしょうか。
(2級以降に、見取りの答えがマイナスになる補数計算はあります。これはどの連盟も一緒)

※全体的にどこが良いとか悪いとかそういう次元の話では無く、日商2級取得が第一目標のピコとは全く違ったアプローチと言う事が言えそうです。

確かに段位になると、子どもの自覚も大きく変わりますし、腰を据えてそろばんに取り組もう、と言う子しか残りません。(え?うちだけ??^^;;)

うん、とっても効率的で効果的ですね!

珠算段位について

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計算技能連盟の珠算段位は問題の様相が様変わりします!
なんと最高位【20段!】
大人のそろばんガチ勢にはここが一番のポイントになる事でしょう。

まあ、ちょっと極端過ぎ??って気もしなくもないですが、
超高段位になると【そろばんのためのそろばん】みたいな感じです!
級位の間は【そろばんを好きになる為のそろばん】と考えると大分剥離がありますが、段位はその道のエキスパートともいえる存在で特別ですからそれで良いのだと思います。

問題はこちらのリンクから確認出来ますが、最後の方とかもう人間の限界を超えた問題を入れ込んできたんだなって感じです^^;;;
50問で7分ですからね、、、そして、少数第5位未満四捨五入と言うのもなかなかのパンチが効いています^^;;

※各段位の細かい認定点数とかは、公式サイトでご確認ください。

私には到底無理!!
あ、そんな事いっちゃいけませんね。

珠算が楽という事は、暗算に時間が割ける

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続いて暗算検定についてです。

暗算って、筆算を知らなくて、右脳優位な、小さい子にはとても有利なんですが、
珠算で躓いていると、珠算ばかりに時間が取られてしまい、なかなか暗算には取り組み辛いです。(同じ間違いを暗算でもしてしまうので、結局効果が上がらない)
だから早く始めて、トントン拍子に上手く進級してくれれば上達は早いものの、他の習い事の片手間としては非常にリスクも高い
(早く始めたから絶対優位か?と言うとそんな事はない)。
そんな両面を持ち合わせています。

幼児とか低学年故に、かけ算・わり算で時間が取られ過ぎてしまうと、なかなか暗算の時間が取れないですね。

しかし、計算技能連盟の珠算検定はそこら辺全て見事にクリアされているので、暗算に時間が割ける!と言うのは重要なポイントです!

よく計算得意な方はそろばんを弾くように指を動かしているじゃないですか?
あれは頭の中にそろばんが見えていて、それを使って計算出来るんです。
(ドラマ半沢直樹の片岡愛之助がやってましたよね!)

暗算に時間が割けると、頭の中のそろばんが早く見える様になりますし、故に暗算が好きになって、どんどん難しい計算にも挑戦したくなります!
しかし、暗算の練習をやらないと、いつまで経っても出来るようにならずに、
珠算に比べて苦手意識が形成されてしまうと、暗算の時間=苦痛の時間を過ごすことになります^^;;;

え?問題はどんなかって?大体珠算と同じ様な感じです。
10級から暗算検定があるのは日商(日珠連)とは大きく異なるところでしょうか。

問題のサンプルはこちらからどうぞ。

申込とかデメリットとか

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計算技能連盟が時代の流れを汲んでいるのは何も検定内容に限ったことではありません。

何と、オープンな連盟としては珠算界初でしょうか?
ネットと教室受験だけで検定が完結してしまいます!
(普通に考えて大したことじゃないと思うんですけどね、恥を忍んで言っています)

申込はウェブサイトからでOK。そして、問題はネットからダウンロード。
賞状などで使う個人情報はメール(多分エクセル?)で送り
教室に賞状が届く、と言った具合です!

余談ながら、賞状は普通にかっこいいですね!(笑)

まあ、デジタル化が一部でしか進んでいない珠算業界なので、ここら辺はそういうもんだと思ってお願いします^^;;;

そして、最後にデメリット。

これは考えによって個人差があると思うのですが、
そろばん主体に考えが寄っているところだと、私は考えています。
問題を与えられて、それを解いて、超高速化して、全国大会に出て、日本一になって。
その域からは完全に考えが抜けていないのは、一番新しい検定なのか??と思っています。
だから、意図的に【そろばんのためのそろばん】と前述しました。

計算とか暗算とか、それをどう世と結び付けて、どう活用していくか、どう将来のキャリアに役立てていくのか。そのアプローチの選択肢を少しずつ見せてあげるとか。
個人的にはその類の考えの方がしっくり来るのですが、計算技能連盟はそういう団体では無いのは間違いありません!
そもそも週1とか、幼児からとか言ってて、一(いち)そろばん塾がどこまで出来るのか考えると、これが正解なのかもしれませんが^^;;

それぞれ役割があって良いので、まあ、デメリットと言うよりは、計算技能連盟はそういう連盟なんだと思ってください。
(なんか大間違いを侵していたら、問い合わせからご指摘ください!)

まとめ

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ほぼ、概要になってしまいましたが、日本計算技能連盟の解説でした。

今のところ、まだあまり普及していない様なので、これからの期待も含めて記事にしてみました^^
アクセスが多い様なら攻略編として、続編も書いていきたいですね!

どうぞご期待ください^^

そろばんは、
お子様の可能性を広げます

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計算力・集中力・忍耐力・判断力、記憶力・想像力・発想力など、一生モノの力を身につけられます。そろばん脳(頭の中のそろばん)を作れます。

よろしければ、キャットリーの特長そろばんの効果についてもご覧ください。

オンライン校もあります。教室での対面の授業と遜色ない授業をオンラインで実施します。ぜひ体験授業にご参加ください。