珠算式暗算の上達方法について真剣に考えてみた

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そろばん塾ピコ講師の平山です。
10教室程度の講師管理・研修などを行っています。現在は担当教室も持っており、年長さん~小学6年生までが在籍しています。そろばんの技術だけを教える講師は目指しておらず、子どもの総合的な未来にコミットしております^^

さて、今回は珍しく暗算に関する記事です。
暗算と言っても、頭の中で算数的な計算をするのではなく、珠算式暗算、つまり頭の中でそろばんの珠をイメージして計算する、という事です。

以前も少し触れたことがありましたが、全体的に内容不足感が否めなかったので、もっと具体的に!!分かりやすく書いていきます^^
それではお付き合いください。

珠算式暗算のベースとは何か

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珠算式暗算の基になっているのは何でしょうか。分かりますか??

とても分かりにくいですね。
それでは言い換えましょう。

珠算式暗算とは頭の中でどんな計算方法をするのでしょうか。
答えは「頭の中でそろばんを使って計算する」

そうなんです。珠算式暗算のベースになっているものは珠算(そろばん)です。
つまり、そろばんをしっかりとした方法「運指・運珠」で習得しないと珠算式暗算の習得は難しいのです。
計算方法に迷いがあっては頭の中のイメージなど到底出来るものではありませんので。

当たり前だと思いましたか?
では、まずはそろばんを。とりわけ、見取り算を頑張りましょう^^;
2桁の見取り算ならどんなに長くても、ある程度速くやっても間違えない確固たる実力と自信が必要です。

てなわけで、まず始めに挑戦するのは見取り算の完全習得です。
ピコ7級の見取り算(2桁15口)で常に100点を取る正確性とスピードが必要です。
それを終えたら本格的な珠算式暗算の習得に進みましょう。

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珠算式暗算、6級~4級のコツ

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準備段階として、そして暗算の事前準備として(暗算検定)7~10級は取得済みかと思います。
次は暗算6級→暗算5級→暗算4級とトントン拍子に取得していきましょう。
珠算より暗算の方が先に進んでいる方が何かとスムーズです。

そして、この6級~4級までのアドバイスです。

まずは
先述の
「見取り算をしっかりとマスターすること」
次に
「なかなか習得出来ないと思ったら、ルールを守った上で量を沢山こなす事」
「暗算と珠算の練習時間のバランスを取ること。珠算に時間が割かれがちですが、半々が理想です。」

こういう風に説明したりすると、うちの子は珠算だけ取れば良いと思いますが…と言う声をたまに聞きます。

そうですか。
でも、それではどこかで伸び悩みますし、日常生活や受験でもあまり役に立ちません…おまけに暗算をやっている方が進みが早いですね。
暗算をやる事のデメリットは検定代がかかることのみです。
全部受けてもトータル1万円くらいしかかからないので、リータンの良い投資だと思って暗算も積極的にトライしてみましょう。
と言うか私は強制だと思っていますが^^;

※6~4級のかけ暗算わり暗算は普通にやっていれば楽勝です。
時間を短縮して、尚且つ満点を目指しましょう。

珠算式暗算、筆算の防止法とは

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暗算は本人のみならず、先生の指導方法にも多大な影響を受けます。
なので、ここでは先生向けのアドバイスです。

「指を動かす事を強制する」
これが私の考える最強の暗算チェックツールです。
先生の立場から見れば、その子がしっかりとした珠算式暗算で計算が出来ているのか、指を見れば95%は分かります。

・指が動いていない場合は筆算とみなす
・指を適当に動かしている場合は筆算とみなす
(筆算か暗算かは置いておいて、指を動かさない場合は全て筆算と言う扱いにする)
・途中で止まってしまう場合はやり直し

などなど、ルールを決めて始めから、それを徹底していれば、かなりの確率で筆算は防げるでしょう。一番いけないのは指を動かしても動かさなくてもいい、と言う場合。
これは筆算なのか珠算式暗算なのか判別が難しいです。
なので、完全に習得したと言い切れるまでは絶対に許してはいけません。
(完全に習得したと言い切れるのは、暗算2級合格くらいでしょうか)

7級の時には出来ていたが、4級になったら筆算になっていた。
という事も当たり前の様に起こりますので、1日1回はチェック時間があると良いでしょう^^

あとはフラッシュ、読み上げ暗算、などもありますが、とりあえず今回は暗算の範囲の中で収めてみました。
そして、精神論も少なめにしてみました^^
本当に必要なのはモチベーションや、メンタルのケアだったりするのですが、冗長になりそうなので、ここでは割愛しましょう。

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珠算式暗算、「自尊心を保つ」

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こちらは生徒向けのアドバイスです。
珠算式暗算が出来ない理由の一つに自尊心が保てなくなるから、と言うものがあります。

簡単に言うと、「出来ない事に耐えられない」わけですね。
正確に言うと「出来ない期間がある事に耐えられない」です。
そして、筆算に逃げる。もしくは最悪、投げ出す(辞める)

現代ではそこまでの厳しい先生も減りましたし、弱音を吐くとそろばんの角で叩かれるなんて事も無いでしょうから、ある意味投げ出すことは非常に簡単です。
しかし、そろばんなんてものは量をこなせばある程度は必ず出来るようになります。まずは、この事実を知りましょう。

そして、周りの暗算3級以上の子に聞いてみると良いです。
「始めから出来た?」って。
始めから珠算式暗算が出来る子なんて一人もいませんからね^^;
そろばん塾に通う一つのメリットはこういう環境が用意されている事です。自分と似た年齢の子たちとコミュニケーションが出来る事です。

メンタルが整ったら、(ルールを守って)ひたすら取り組む。取り組む。取り組む。圧倒的な試行錯誤の回数が大事です。これで必ず出来るようになります。

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珠算式暗算、3級のコツ

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3級のかけわりに関しては省略です。
九九の速さと、珠のイメージがあればそこまで難しくありません。

問題は2桁5口から3桁5口になる見取り暗算です。
本来であれば3桁一括計算が好ましいのですが、ここでは2桁+1桁の分割計算の前提で考えます。
という事は2桁5口がある程度の速さでミスなく出来れば良いわけです。
4級で2桁5口は合格していますが、同じノリで考えていると、恐らく正確性もタイムも足りないでしょう^^;

ここは一旦仕切り直して、2桁の高速見取り暗算の習得に向けて訓練を行いましょう。

5問、2桁3口 30秒程度→24秒まで短縮
5問、2桁4口 40秒程度→32秒まで短縮
5問、2桁5口 50秒程度→40秒まで短縮

1口2秒→1口1.6秒まで短縮するのが目標。
これで安定して9割くらいが取れればOKです。以下同じ様にループして口数を増やしていけます。

3級ではこのタイムで7口~8口行けば十二分です。
3級で2口を徹底的に鍛えつつ、読み上げやフラッシュ暗算などでレベルの微調整をしつつ、3桁一括を少しずつ並行練習、
よきタイミングで3桁一括の導入を目指しましょう。

2桁一括→3桁一括まで移行するには1年以上かかるかもしれませんが、ここで得れる破壊力は計り知れず、この後のそろばんにも、生活にも、人生もおいても良い影響を及ぼすのは疑う余地がありません。

まとめ

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という事で珠算式暗算をやるなら「3桁一括計算の習得」が一つのマイルストーンとなる事でしょう^^
ここまで出来れば段位の取得も視野に入ってきます。

少し長くなってしまったので、2級以降はまた改めて書く事とします^^;
私の引き出しももっと増やさないといけない事ですし^^;

それでは!!

そろばんは、
お子様の可能性を広げます

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計算力・集中力・忍耐力・判断力、記憶力・想像力・発想力など、一生モノの力を身につけられます。そろばん脳(頭の中のそろばん)を作れます。

よろしければ、キャットリーの特長そろばんの効果についてもご覧ください。

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