そろばんは出来るのに、暗算は出来ない。それが問題だ。

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暗算について書くのは始めてですね。
実は、暗算を教えるのはとても難しいのです。(これはそろばん教室の本音)
何故かと言えば、答えも経過も、全ては子どもの頭の中にあるからです。
どう頑張っても先生が生徒の頭の中をのぞくことは出来ません。想像するのが関の山です。その中でも確実に効果の出る方法を書いていこうかと思います。

※この記事は初心者向けです。
経験者(特に有段者)が…それは違うだろ!と言いたい気持ちは分かりますが、始めて間もない子どもへ教える立場で書いたものであることを予めご了承ください。そしてそろばん塾ピコは大会を目指す教室では無い事も付け加えておきます。

珠算を例えてみる

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ピコ代表の受け売りですが、珠算は“自転車”、筆算は“かけっこ”に例えることが出来ます。

かけっこ(筆算)は訓練次第で多少は速くなります。
が、基礎運動能力がそこまででも無い子は、とても早く走ることは出来ませんね。
速い子と遅い子、どうしても分かれてしまいます。

一方で珠算(暗算も)は自転車に例えることが出来ます。

多少の慣れは必要ですが、自転車に乗れない子はいないのと同じように、珠算もしっかりと先生の言う事を聞いてやれば出来るものです。教材やソフトなど、それを補助するツールは沢山あります。自転車に乗れるようになると、色々な景色を見ることが出来ますし、行動範囲も広がります。自信をつけることも出来ます。

では、暗算はどうなのか。これは自転車で坂道を登る状態に例えることが出来ます。
折角自転車に乗れるようになったのに、坂道が出てくると何だかとても急に思えてしまい“これは登れないや”などと考え、自転車から降りてしまい、歩き(つまり筆算)の状態に戻ってしまうのです。暗算を練習したいのに、これではとても勿体ない。
自転車(珠算)の練習をしていて、坂道(暗算)が出てくると歩き(筆算)になっていて、練習の意味がなくなってしまう、と言った具合です。

効果的な練習方法

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さあ、ではどうすればよいのか。
効果的な方法は2種類です。

① 読み上げ算をやる
② フラッシュ暗算を導入する

意外なほど単純ですみません^^;
でも、これは事実です。と言うか、これで無理やり自転車に乗ったままで練習することが出来るのです。
何故なら、速くやるほど筆算はやりにくく、またどちらの場合も計算の順番を生徒の意図で入れ替えるのは無理です。例えば、この問題、

53と57と50を足して、160。あとはそこから(95+15)の110を引けば答えは50。繰り上がりを殆ど使わずに答えを導き出すことが出来ます。
しかしフラッシュ暗算や読み上げ算では順番を入れ替えることは不可能なので、暗算をせざるを得ません。なので、暗算の練習にもってこいなのです。
更に言うと読み上げ算もフラッシュ暗算もやり直しは出来ません。

さて、両方とも概要について書いておきましょう。

読み上げ算について

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ザ☆そろばんと言えば読み上げ算(この場合は読み上げ暗算)ですね。

ねーがーいーまーしーてーはー
〇〇円なり、〇〇円なり、〇〇円なり、〇〇円なり、〇〇円では!
みたいな感じと言えばお分かりいただけますでしょうか^^;

読み上げ算の良いところは目を使わなくていいことだと(勝手に)思っています。

どういう事か。
(珠算式)暗算は珠をイメージしないといけません。これが出来ない限り習得はあり得ないのですが、どうしても数字を目の前にすると数字を追いかけてしまい、筆算を使う方向に脳が振れてしまいます。
数字が音声で届くほうが圧倒的に“イメージしやすい”んですよ。賛否あると思いますが、個人的には目をつぶってやっても想像しやすくて良いと思います。

私が昔そろばんを習っていた時に“数字を追いかけるんじゃなくて、透明なそろばんをはじくのよ~”と言われていましたが、正直良く意味が分かりませんでした^^;
何故か逃げる数字を追いかける映像ばかり出てきてしまい^^;

目をつぶって指を動かしながら、そろばんをやってみたらどう?と当時言われたら,、もしかしたらもうちょっと暗算が出来るようになったかもしれませんね^^;
読み上げ暗算を“エアそろばん”をやってみよう、と言う伝え方をする教室もあります。
現代っ子にはこちらの方が伝わりやすいかもしれません。私の例からしても、言葉の重要さは見捨てられない問題ですね。いろいろ試してみるのが重要と感じています。

教室内での読み上げ算について

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では暗算を習得するには読み上げ算を沢山やれば良いですね。
問題解決です☆

ところが…そうは問屋が卸しません。

何が問題なのか。教室に来ている子はレベルがバラバラです。
2級の子もいれば、入ったばかりの子もいるケースだって普通にあります。
そうすると、そもそも読み上げ算がまだできない子もいますし、仮に全員出来たとしても、適切なレベルで合わせることがなかなか困難です。
1コマ50分のおけいこで全部を読み上げ算というわけにもいきませんし、ここは非常に難しいところですね。

講師の判断で臨機応変に使い分けるしかありません。
自宅での練習は非常に効果的と思いますので、読み上げ算が出来る環境にある場合は積極的な練習をお勧めいたします^^

フラッシュ暗算について

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フラッシュ暗算とは画面に数字が表示され、それを足していき、最後に答えを入力するプログラムです^^;

少し前に持て囃され、テレビで良く大会の様子や優勝者の計算が放送されていましたが、どれも足し算のみだったのにはお気づきでしょうか?
そうなんです、大会と言うのは完全に暗算を習得して、あとは速さを競うあう、いわば“スポーツの様な競技”なのですが、
始めたばかりのフラッシュ暗算は実に地味ですね^^;

現在の一般的なフラッシュ暗算と言うのは、あの見た目の派手さ重視で作った様な、大会向けのプログラムなんです。

ピコで使用しているピコ式暗算ABCについて

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さて、ピコではいわゆる大会用の足し算しかないプログラムは使用しておりません。
(最近新たに開発されました)
ピコで使うフラッシュ暗算は“足し算”も“引き算”も“掛け算”も“割り算”もある、高度に考えられた、オリジナルの“実用的な暗算習得用プログラム”なのです。

フラッシュのプログラムはまだ歴史が浅く、どのものも発展途上です。
例えば1桁はまだ良いとしても、2桁にあがった途端に断崖絶壁にでもぶち当たった様な壁を感じます。
それはプログラムのせい、という点も大きいでしょう。(勿論、大元の珠算が発展途上という事もありますが…)

その点、ピコ暗算ABCは改良を重ね、見取り算では230段階の超スモールステップになっています。また、掛け算・割り算もかなりのレベル設定の数です。
つまり、練習しているうちにいつの間にか出来るようになっている、可能性が高くなる、という事ですね。このプログラムは画期的です。

これ以上は細かくなってしまうので、また後日まとめて記事にしたいと思います。

まとめ

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暗算の習得が何故難しいのか、また、何故指導が難しいのかお分かりいただけましたでしょうか。
講師の指導方法の工夫に加えて、おけいこ中の集中力や忍耐力も必要になります。

茨の道ではありますが、得るものは非常に大きいです。
先の自分をイメージして、忍耐強くトライしていきましょう^^

そろばんは、
お子様の可能性を広げます

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計算力・集中力・忍耐力・判断力、記憶力・想像力・発想力など、一生モノの力を身につけられます。そろばん脳(頭の中のそろばん)を作れます。

よろしければ、キャットリーの特長そろばんの効果についてもご覧ください。

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