そろばんの使い方~見取り算編~

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そろばん塾ピコ講師の平山です。
数教室を回り、様々な考え・様々なタイプの子を見てきた経験から、一般論でない、役に立つ現場視点の情報を配信していきます。

見取り算とはいわゆる“たし算とひき算”の事ですね。いくつか縦に並んでいるものを順に計算していきます。
そろばんではこれが基礎になり、1級だろうが10段だろうが常に使い続けていくことになります。
という事で、今回はこの見取り算に特化して解説していきます。
既にそろばんをやっている方からすると、当たり前の事ばかりの羅列になりますので、そんな事知ってるわ!なんて言わないでくださいね^^;
未経験者向けの記事です。それではどうぞ^^

見取り算とは

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下記の様な計算のことですね。上から順に足したり引いたりしていきます。

これが基礎編では1桁から始まり、1級では10桁まで到達します。
何度も計算するのにも関わらず、一度のミスですべて失点してしまうので、そろばんの中で苦手意識を持っている子は非常に多いです。
(1級だと1問の間に約100回足し引きを繰り返します)

ですので、基礎の段階でどれだけ無意識のレベルまで定着することが出来るかがポイントになります。

まず、気を付けること

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指使いを間違えて覚えないことが大事です。
指使いと言っても2種類ありまして、珠を動かすのに使う指の運びを運手(うんしゅ)といい、珠の動かす順番を運珠(うんじゅ)と言います。
(実際問題、指導をする立場でもあまり使わないので、単純にどちらも指使いで良い^^;)

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気を付けること(指使い- - -どの指を使うのか)

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使う指は
1珠・・・いれる時は親指、とる時は人差し指
5珠・・・いれる時も、とる時も人差し指

たった、これだけです。ですが、侮るなかれ。

鉛筆の持ち方が中途半端だったりすると人差し指のはずが中指になってしまったりします。

↑こんな様にですね。これをやってしまうと中指が出てきてしまいます。

そろばんを弾くときには鉛筆を軽く握ってやりましょう。

↑これが正解です。

また、姿勢が悪いと、すべて親指やすべて人差し指になってしまったりします。(レアケースではありますが…)
これは何としてでも避けたい事態ですが、姿勢を悪くしない方法はそろばんを左手で軽く押さえることです。簡単ですね。

ご飯を食べるときなども同じだと思うのですが、左手は机の上に出しておくほうが姿勢が確実に良くなります。
また、姿勢が悪いと集中力も持ちません。疲れるのですよ、姿勢が悪いと。
車を運転する際にシートベルトをするのは疲れにくくして集中させる意味合いもあるそうです。それと同じですね。

という事で、姿勢と鉛筆の持ち方を気を付けましょう。
何気にもの凄い大事な話をしました。これこそTHE躾なのです。

気を付けること(指使い- - -珠を弾く順番)

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次は珠をはじく順番をマスターしましょう。

① 6.7.8.9を入れる時、とる時

→いれる時は親指と人差し指で挟み込む様に同時に入れます。
とる時は人差し指で下↑上↓と順にとります。1珠を取って、5珠を取ると言った具合です。
中には同時に取る方もいらっしゃるかと思いますが、いわば高等テクニックなので、基礎の段階ではやめておいたほうが良いかと思います。
(少なくともピコではやらせません)

② 10への繰り上がり(6,7,8,9)

はい、ここから繰り上がりです。
1珠をとって、10を入れる。これだけです。理解するだけなら簡単ですね。

③10からの繰り下がり(6,7,8,9)

これは先ほどと逆の動きをします。10を取ってから、1珠を入れます。

④ 10への繰り上がり繰り下がり(5)

5珠をとって、10を入れる。10をとって5珠を入れる。
②、③と同じことですね。。動画は省略しました。

⑤10への繰り上がり(1,2,3,4)

②とやることは同じですね。先に1の位を取ってから10を入れます。

⑥10からの繰り下がり(1,2,3,4)

④と逆の動きになります。10をとってから1の位の数字を入れます。

⑦5への繰り上がり(1,2,3,4)

ここいらから少しややこしくなってきます。
5を入れてから、1珠をとります。
順番を逆にしてしまう子が多いので、気を付けて指導していきます。

⑧5からの繰り下がり(1,2,3,4)

こちらは⑥と逆の動きですね。
どちらが効率的な動きか分かれば、間違いが少なくなるのですが、“効率的”というワードが子どもの感覚ではなかなか難しい様です。ですが、正しいやり方で問題数をこなせばしっかりと定着します。

⑨5珠を含む、10への繰り上がり(6,7,8,9)

これはどういうことかと言うと、例えば5+6の様な計算の場合、②の計算を使いたいところですが、1珠がありません、と言ったケースで使用します。

例題の5+6の場合、5から4を取って、10を入れる、と3つに分割して計算するのですね。
そうすると1入れて5とって10入れる。となります。これを完全に無意識のレベルまで落とし込むのが珠算です。
対して筆算は5+6は11と暗記して、それを呼び起こすわけなので、そもそも計算方法が違います。(どちらが良いとか悪いとかではないが、そろばんの方が早いです)

⑩5珠を含む、10からの繰り下がり(6,7,8,9)

⑨の逆ですね。7と8を引く時はとても間違えやすいので、注意したいところです。
因みに4級くらいになってもここらへんで間違える子はいますので、基礎の段階からしっかりと無意識のレベルまで落とし込むのが大事。
何度言っても言い足りないくらい大事なのです。(累計3回言いました^^;)

と、これで1桁の計算は完璧です。(説明は完璧)
これから2桁に続いていくわけですが、応用しているだけですので、いかにここの10項目が大事か理解していただけると幸いですね。

※余談ですが、一つの動画で複数の計算をしていますので、わかりやすい様に私物のワンタッチそろばんを使用しました。
動画からは伝わらないと思いますが、ご破算も出来ない程、無理な姿勢で撮っています^^;

見取り算のコツ

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見取り算でやったほうが良い、コツの様なものがあります。
そろばんを下にずらしながら、数字を読み取っていき“今どこを計算しているのか”というのを把握しながら計算していく事です。

7級になると15口になり、今どこの計算なのか非常に分かり辛くなり、途中で間違える可能性が高くなります。これも先ほど言った“そろばんを指で押さえる”という超基本を疎かにしていると、出来ないわけです。
またはポテンシャルはあるのに、意固地になって先生の言う事を聞かないと痛い目に遭います^^;

全ての事柄に、向き不向きがあるのは分かるのですが、とりあえずチャレンジしてみる、出来る限りやってみる精神が大事です。そしてチャレンジが出来ないと、そろばんの進度ならず、今後の人生において大きな痛手を被ることに気付いて欲しいです。
そういう意味でも、そろばんは歴史が長い究極の教育ツールなのです^^

まとめ

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指使いという基礎のみならず、それ以前の姿勢や鉛筆の持ち方なども、とても大事なのはお分かりいただけましたか。
これはそろばんのみならず、学習全般において重要な事です。ここに気付けるか気付けないか、は今後の将来を大きく左右する、と言っても過言ではありません。常に基本を視野に入れて、そして更に広い視野をもってそろばんに取り組んでいただけたら幸いです。

そろばんは、
お子様の可能性を広げます

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計算力・集中力・忍耐力・判断力、記憶力・想像力・発想力など、一生モノの力を身につけられます。そろばん脳(頭の中のそろばん)を作れます。

よろしければ、キャットリーの特長そろばんの効果についてもご覧ください。

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