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そろばん塾ピコ講師の平山です。
数教室を回り、様々な考え・様々なタイプの子を見てきた経験から、一般論でない、役に立つ現場視点の情報を配信していきます。現在は担当教室も持っており、幼児~小学生までが在籍しています。
さて、今回はそろばんの使い方(わり算)を解説していきます。
ピコでわり算を教える際に念頭に入れている事は、ほぼ、かけ算と同じです。
繰り返しになりますが、
【出来るだけ子どもに分かりやすく】
【式も含めて、正しく数を入れて、珠を多く動かす練習を沢山出来るように】
この2点です。
わり算はその特性上、(傾向として)間違いは少なくなるが、上手い事進めていかないと時間が多くかかってしまう可能性がある、という事があります。
どういう事なのか説明していきます。
4級以下のわり算は必ず割り切れます。つまり、割り切れた=答えがあっている可能性が高い、という事になります。
それでも間違える様なら、かけ算を間違えたか、ひき算を間違えたか、ひく場所を間違えたか、そんなところでしょう。
と言うわけで、いつまでも割り切れない場合、同じ問題で数分かかってしまい、
その後も焦りによって不利な戦いを強いられることになります。(特に5級以上の場合…)
この辺りを考慮した上で指導戦略を考えています。
わり算のやり方は2つです。開始の時点で、わる数(法(ほう))を置くか置かないかと言う違いのみです。
・両方置く(通称はありませんが、便宜上、以降“両置き”)
・片方置く(通称“片落とし”)
実は、わり算にも両方入れない”両落とし”はあるのですが、やり方がややこしい上に実用的ではないので、ここでは省略します。
まず、わり算において“両置き”は最も容易でスタンダードなスタイルです。
わる数もわられる数も両方置くので、視線移動が少なくて済むのは勿論ですが、商を立てる際にも視覚的に有利に働きます。
例えば3,060÷36の場合、36が見えているのと、頭の中にあるのと、どちらがやりやすいか、どちらがまずは8!と先に出てくるか、と聞かれれば必ず前者の方になるのは自明の理です。
そういった事を考え、まず導入時に教える方法は“両置き”としています。
翻ってわり算の“片落とし”です。
わられる数を入れるのは勿論ですが、わる数を省略するのが片落としです。
片方入れない=片落とし、という事で覚えておきましょう。
特徴は単純にわる数を入れる時間を省略できる、つまり時間短縮になる。という事です。
慣れればなんてことは無いのですが、そこまで到達する前に諦めてしまう子も多数…
ここは頑張って何とか習得したいところですね。ピコでは5級以上で指導対象です。
わり算のやり方、メリットデメリットをまとめると…
両置きのメリット
・商が立てやすい
・間違えにくい
両置きのデメリット
・スピードが出しにくい
片落としのメリット
・時間短縮出来る
片落としのデメリット
・商が立てにくい
・慣れるまで大変
メリットデメリットを考慮した上で、どちらを採用するのか決めればよい問題で、どちらが良いとか、悪いとかそういうことはありません。
動画にしてみましたので、まずは確認してみましょう。
数の入れ方はかけ算・わり算全く同じで、右側にわられる数(実)、左側にわる数(法)を入れます。
片落としの場合は法を省略。
あとは答えの左側に商を立てていき、大きいくらいからかけ算をして引いていく。
最終的には、わられる数を0にする、と言ったプロセスです。
4,104÷76で見てみましょう。
1、一つ目の商を5と立てます。
2、5*7=35を引く
3、5*6=30を引く
4、二つ目の商を4と立てます
5、4*7=28を引く
6、4*6=24を引く
答えは54
となります。
6級わり算の問題10問を片落としで動画にしてみました。
(指導する側としてはゆっくりの速度ですが、生徒としてはこれで十分です。ピコは大会を目指すわけでも段を目指すわけでもありませんので、焦る必要もありません。)
これくらいの速度が出れば4級くらいは受かると思います。
わり算のポイントは商を立てる速さ、そしてかけ算-ひき算の流れをスムーズに行う事です。
※盤面上が見える様に、指を敢えて(そろばんから大きく)離していますが、普段はピタリとも動かしません^^;
つまり、基礎が大事というわけです。
尚、余談ですが、↓の様な環境で録画をしていますので、腕が広げられず、大変苦戦している様は…伝わらないと思いますが、地味にしんどいです^^;
冒頭で述べた通り、級が上がれば上がるほど、わり算に対する時間の使い方が大事になってきます。時間を使いすぎてはいけないが、でも点数を取りたい。わり算によって、生徒はこの狭間に揺れ動くことになります。
場合によっては一度検定に落ちないと、解く順番や時間のかけ方の重要性が分からない子も(中には)いますが、
・極力、点数を取りやすい部分から始めること。
・一つの問題に固執しないこと。
・練習中から、どの順番で解くのか意識して練習をすること
主にこの3つが大事で、更に大人の世界で言う“取捨選択”や、場合によっては“選択と集中”が必要だったりもします。そこを分かりやすく説明するのは講師の役割でしょう。
以上、わり算の解説でした。
そろばんは計算するだけ、と思うなかれ、沢山学ぶことはあります。
意識を変えて、貪欲に吸収していって欲しいですね^^
計算力・集中力・忍耐力・判断力、記憶力・想像力・発想力など、一生モノの力を身につけられます。そろばん脳(頭の中のそろばん)を作れます。
よろしければ、キャットリーの特長やそろばんの効果についてもご覧ください。
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そろばんの使い方~かけ算編~