そろばんは短期間の学習でも効果はあるか

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そろばん塾ピコ講師の平山です。
10教室程度の講師管理・研修などを行っています。現在は担当教室も持っており、年長さん~小学6年生までが在籍しています。そろばんの技術だけを教える講師は目指しておらず、子どもの総合的な未来にコミットしております^^

前回は“珠算検定は何級から将来役にたつか”と言ったタイトルで記事を書きました。そして、今回はそれに関連して、“短期間の学習でも効果はあるか”と言ったタイトルで見ていきましょう。

結論は前回述べた通り“(短期間で)珠算2級・そして暗算2級以上が取れれば”役に立つ。となります^^;
身も蓋もなく書くと、この通りなのですが、この結論から考えられることを書いていこうと思います。

まず、始めに“短期間”の定義から

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短期間、と言うところがミソですね。これを仮に1年生、としておきましょう。

ピコでは在籍期間の中央値が2年~2.5年と言ったところなので、約半分の1年間としました。
また、通学は週2回、宿題は週で15分程度としておきます。(宿題量は実績値に基づく)

欠席無しでこなしていくと大体ですが年間100時間程度になります。(ここ大事)

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2級の取得はどれくらいかかる?

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先述した通り、ピコの標準カリキュラムでいくと年間100時間取り組める、という事になりますが、
それでは2級の取得にはどの程度の時間数が必要なのでしょうか。

感覚値・実績値として、大体感じているのは300~400時間と言うところでしょうか。
これは短期間に集中して取り組めばもっと短縮されますし、逆にダラダラとやっていると一生取得できません^^;
なので、標準での値としてみてください。

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つまり、短期間では無理と言う事です

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そうなんです。無理なんですよ^^;
「1年で珠算or暗算2級取得は無理」これは講師全員が思っている事です。

ただし、それを可能にする方法があります。

明確な目標をもって、教室で講師の無理難題に応える。
そして、指示された膨大な宿題量を自宅でこなす。
この2点を実行すれば不可能も可能へすることが可能です^^;(日本語おかしい?まあ、そんな程度の可能性だと思ってください^^;)

宿題を沢山やるのは勿論なのですが、教室での無理難題に応えるのが何よりのポイントです。無理難題とは、通常よりかなり短い時間で習得する、という事です。
また、通常より少ない通学回数で習得する必要もあります。

例えばですが、7級のかけ算(2桁×2桁)の場合、ポイントは九九を入れていく場所を間違えないと言うところなのですが、それを1回だけパッと説明して理解できるくらいの集中力とセンスは欲しいところです。

各級には例題がいくつかありますので、そこをささっと指導して、残りは宿題!ここも宿題!あそこも宿題!
と出来ると、ボトルネック解消(と言うのか分かりませんが)になり、あとはスピードアップと正答率を高めていけば良いだけです。これさえコンスタントに出来れば毎月検定を受けることが可能です。
1年で2級に合格するには年間12回ある検定のうち、8回は受けなくてはいけませんので、殆ど余裕が無い事はすぐにお気づきいただけますよね。
それに加えて暗算も受けないと実力が伸びませんので、それはそれは大変なのは想像に難くありません^^;

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しかし1部の世の中では…

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そんな中でも、もっともっとハイペースで昇級・昇段していく子たちがいます。某埼玉県の有名珠算教室などですね。
ここのカラクリはどうなっているのか…説明したいと思います。

年間○○時間と言うレベルでは無い

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そういう類の全国大会常連の教室は年間○○時間とか言うあまっちょろいレベルでは無いのです。教室でも、通い放題でそろばん漬けになり、終わった後も教室で自習そろばん、自宅でもそろばん…フラッシュ暗算も沢山やって、頭の中は数字とそろばんで溢れかえっています。
他の習い事などをやっている暇は勿論無いですし、本人はそれで楽しいのだと思います!

例えば、友人の10段の方だと週6回・月100時間を何年も続けていたと聞きました。
(なんの大会か分かりませんが、日本一も取ったみたいです)
先ほどの理屈でいけば3か月で2級など取得してしまいますね。(本当に出来るかどうかは別にして…)
全国大会に出る様な方々の涙ぐましい努力はお分かりいただけましたでしょうか。

10000時間の法則、ご存知ですか?

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先ほどの例でいくと、8年間続けた場合は大体10000時間に到達します。

10000時間の法則とは、どんな分野でも、だいたい10000時間程度継続してそれに取り組んだ人は、その分野のエキスパートになるという経験則なわけですが、
大会に出るような方たちは、やはりこの法則に当てはまっていると思います。

そして、その基準からみると、100時間/年間(しかも継続は2年)だとあまりにも少ない事は、誰にでも分かる事実だと思います。
10000時間はいかなくても、ある程度、実績を残したいのであれば、量を増やす・継続して取り組むことの重要性が見て取れるかと思います。

しかし、私が考えるには珠算に子どもの時期の大切な時間をすべて持っていかれてしまうのは本末転倒なのかな、とも感じます。

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さて、どちらを選択しますか

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あなたには選択肢が3つあります。

① 1~2年間、そろばんのみを集中してとことんやる
② 3~4年間、他の習い事と並行してほどほどにやる
③ 5~10年間、そろばんのみにすべてを懸ける

集中してやる・すべてを懸ける、と言う場合、必ずしも上手くいくとは限りません。
本人のモチベーションやセンスの問題だったり、気が変わる事もあるでしょう。
どの習い事でも同じですが、個人差もありますし、好き嫌いもあるのは仕方のない事です

ピコの理念はどうなのか、と言うと
そもそも級の取得自体が目標にはなっておらず、“そろばんで得たことを糧に受験に活かす”と言うのが最終目標です。なので、ほぼほぼ②のスタンスと言った取り組み具合です。私もその方が長期的に見てバランスが取れていて良いと思っております。
勿論、同じ期間・同じ時間をやるなら、より成果を出して欲しいと言う気持ちは強いので、指導の工夫や生徒のモチベーションコントロールなど、積極的に行いますが、やはり月に何十時間もそろばんを強制している教室に勝てない(そろばんの実力としては)のは致し方ない事かと感じております。

しかし、欲張りはいけません

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良くあるケースで大変申し訳ないのですが、成果が上がり辛いのはこんな場合です。

毎日習い事を詰め込んでおり、全部で4つ5つやっている。
そして、それが原因で1つ1つが、ただこなすだけになり、成果はどれもイマイチ。
そろばんに至っては最低限の宿題すら危ういと言うケースです。

この場合、取捨選択が大事です。
珠算を上達させたい場合、まずは量をこなす事が大事です。
しかも、習い事を詰め込んでいる場合、量はおろか、指導中の質さえ担保出来ない状態と言う事も少なくありません。
耳が痛い話かもしれませんが、習い事なんて成果がでてナンボです。

その中でもそろばんは“とても短期間で、しかも分かりやすく成果が出る”ものなので、ぜひとも選択していただきたい限りです。
そろばんの成果は取得級で完全に可視化されていますので、これを活かさない手はありません。
おまけに習得してしまえば、忘れる事がありませんし、学校の勉強にも活きてくるので、コスパとしては抜群と言っても過言では無いでしょう。(おまけに安い!)

まとめ

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・ピコのペースでやっていては1年で2級取得は結構キツい…
・習い事は絞って、質を担保して、量をこなし、検定を目安に成果を上げる事に拘る

さて、世間はGWの10連休一色ですね!
こんな時しか出来ない体験をするのも大事です。バランス良く子どもに色々と体験させましょう^^

と思ってGW前にアップするのを忘れておりました。何卒ご了承を!^^;

そろばんは、
お子様の可能性を広げます

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計算力・集中力・忍耐力・判断力、記憶力・想像力・発想力など、一生モノの力を身につけられます。そろばん脳(頭の中のそろばん)を作れます。

よろしければ、キャットリーの特長そろばんの効果についてもご覧ください。

オンライン校もあります。教室での対面の授業と遜色ない授業をオンラインで実施します。ぜひ体験授業にご参加ください。